俺が子供の頃に一般家庭でよく使われていたフィルムは、価格が一番安かったASA100(現在のISO100相当)のカラーネガフィルムがほとんどで、その中でもサクラカラー100と今回ご紹介するフジカラー100が売れ筋フィルムの双璧だったと記憶している。
サクラカラーの方は後にコニカカラーに名称変更するも売り上げは低迷し、現在には残っていませんが、フジカラー100を製造する富士フイルムは、現在でもフィルム製造を続け、コダックやヨーロッパの中小メーカーなどと共にフィルム文化を守ってくれているのは写真愛好家ならご存知だと思います。
そんなフジカラー100には現代の最新技術が使われ当時のフィルムとは違います。しかし、それでも現像から上がってきた写真には、まるで「あの頃」が封じ込められたかの様なノスタルジックな雰囲気が色濃く漂っていました。
それでは早速、フジカラー100の作例を紹介しましょう。
撮影カメラは「Nikon F4S」レンズは「AF NIKKOR 35-70mm F3.3-4.5」を使用して撮影しました。
フジカラ−100の作例写真
春の写真ですが、撮影は昨年(2019年)です。コロナウイルスの蔓延していない良い春でした。
新しいレンズを使えばまた違うのかも知れないが、今回撮影した「AF NIKKOR 35-70mm F3.3-4.5」は、ニコンのAF標準ズームレンズとしては最も古い製品。その描写は現代のパキパキにシャープな画像と比べるとはるかに甘い描写ですが、よく見ると桜のシベを適度なシャープさで描写しています。
堂々とお花見のできない春は、今年だけにして欲しい。
空の青のグラデーション描写や桜の薄桃色が意外と色ノリよく出ているが、やはりどこかノスタルジックに感じるのはフィルム独特の粒状感ゆえだろう。
我が家の愛犬であるパピヨンのカイトくん。近頃はますます白髪も増えたが、まだまだ元気一杯。
芝桜の濃いピンクも日の当たった草のグリーンもよく出ています。
ポカポカ陽気にカイトくんも気持ち良さそう。背景のチューリップの描写にネガフィルムの独特の色がよく出ています。またデーライトフィルム(今でいうホワイトバランス太陽光)なので、陽が傾きかけた時間の太陽光のアンバーが綺麗に出ています。
何故か錆びた物があると写したくなるのです。ただそれだけの写真。
妻のジーンズやカイトの被毛の色や質感がよく描写されています。
これぞ、ザ・フィルム写真って感じの描写。この画像をプリントして、40年前に写した写真だよと見せても誰も疑わないと思う。
まとめ
フィルムで写すと、当然の事ながらホワイトバランス固定と同じなので(カラーフィルター使用時を除く)写された時間や天気がよく分かる。
今回の写真を見ていて、改めてその事がよく分かった。
最近のデジカメのオートホワイトバランスは大変優秀なので、色被りがなくクリアに描写されるのですが、優秀が故に現場の光の色を補正しすぎてしまう事がある。
これからはオートに頼りすぎる事なく、特に屋外ではプリセットホワイトバランスを積極的に使ってみようと思う。
何だか、フィルムのレビューじゃ無くなってしまった(汗)
それではまた。
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