Photoshopは巨大なアプリケーションなので、その全ての機能を覚えようとすると途中で嫌になりすぐに挫折してしまいます。でも、プロのデザイナーを目指すような一部の人以外はそんな苦行に挑戦する必要はありません。
写真なら写真、デザインならデザイン、自分のやりたい事をPhotoshopで表現するための機能だけを覚えれば良いのです。
このシリーズではPhotoshopでデジタル写真を扱うために必要な機能や知識だけを厳選し、分かりやすく解説していきます。
デジタル写真はピクセルの集合体
普段私たちはスマートフォンやデジタルカメラで撮った写真をモニターで観賞しています。最近のカメラは高性能ですから、その写真の色はとても綺麗で、例えば桜の花のアップなら、花弁のピンクが微妙なグラデーションで描写され私たちの目を楽しませます。
しかしその画像をどんどん拡大すると、どうなると思いますか?
滑らかに見えていた花弁の縁のラインが拡大するごとにどんどんガタガタになり、さらに拡大すると色の付いた四角いマス状のモノがたくさん集まっている様子が見えて来ます。
この四角いマスをピクセル(画素)と呼び、デジタル写真はそのピクセルが何百万、何千万と集まって出来ているのです。
RGBって何?
先ほどデジタル写真は色の付いたピクセルの集合体だと言いましたが、その色はどのような仕組みで表現されているのでしょうか?
それは、R(Red)G(Green)B(Blue)この3種類の色の光を混ぜれば全ての色の光が作れるという光の三原色という原理を使って表現されています。
例えば RとGが50%でBが0%なら黄色になるなど、一つ一つのピクセルを三原色を混ぜた色で光らせる事で、あの綺麗なカラー写真が作られているのです。
ビットって何?
デジタル写真を扱っていると「この画像は8ビット画像だ」とか「このモニターは10ビットで表示できる」など、ビットという言葉が使われているのを見たり聞いた事があると思います。
このビットとは正確には何を表しているのでしょうか?
「数字が大きい方が良いのは何となく分かるけど、それ以上の事はよく分からないのでスルーしてた」そんな人が多いんじゃないですか?(笑)
この機会にビットの基礎について覚えちゃいましょう。
これを覚えれば、デジタル画像だけでなくコンピュータ全般の理解が深まりますよ。
ビットとはコンピューターが扱う最小の単位である
「先月はスマホで動画をたくさん見ちゃったから、月末にギガ死しちゃったよ」とか「今度のスマホは256ギガもストレージがあるからたくさん写真や動画が撮れるんだ」など、最近では日常的にデジタルの単位が使われているけど、この単位の最小が1ビット(1bit)になります。
コンピューターは0と1の数字だけで全ての計算をしています。
例えば、オセロのコマの白い面を0、黒い面を1として、コマが一枚なら白い面を出して0、黒い面を出して1と二種類の数値を表す事が出来る。
このコマが一枚の状態が1bit。
そして、コマが二枚に増えると、白白(00)、白黒(01)、黒白(10)、黒黒(11)の四種類数値を表す事が出来る。
もちろんこの状態が2bitになります。
もう一枚コマを追加して、3bitにしたらどうなるか試してみましょう。
この様に八種類の値ができました。
まとめると、1bitでは1つの値、2bitでは4つの値、3bitでは8つの値とビットが1増える毎に値の数が倍になりました。
このようにしてビットを8ビットまで増やしていくと、出来る値の数は256になります。
このまま1bit増える毎に数が倍になると、あっと言う間に桁数が天文学的数値になってしまいますよね?
そこで昔の偉い人がbitをある程度の数で一まとめにして新たな単位を作ることを考えました。そして、業界の標準となったのが8bitを一まとめにして1Byte(バイト)とする方法でした。
ここで最初に出した会話に戻って解説すると「ギガ死しちゃったよ」のギガは正確にはGB(ギガバイト)の事になり、もちろんスマホの256ギガも256GBになります。
ちなみに単位は1000倍(正確には1024倍)毎にK(キロ)、M(メガ)、G(ギガ)、T(テラ)と増えて行くので、ちょっと計算して見たら、1GBは約10億バイトにもなりました(笑)
8ビット画像って何が8ビットなの?
やっとデジタル写真の話に戻ります。長くてすみません(汗)
ビットって何?の最初に「この画像は8ビット画像だ」と言う言葉を出しましたが、私たちが日頃目にするデジタル画像(写真も含む)のほとんどは、この8bitの画像になります。
前の章で8bitは256の値を表せると解説しましたが、画像の場合何を256で表せるのでしょうか?
それが一番最初に解説したピクセルを色付けするためRGBの値なのです。
このデジタル画像の色については「フォトレタッチやサイト作成で色を自由に操るための基礎知識」で詳しく解説しているので読んでみて欲しいのですが、ここでも簡単に解説すると、
8ビット画像の場合、一つのピクセルをRGB各256階調(0〜255段階の明るさ)で光らせて色を作る事が出来ます。
なんて解説ではよく分からないと思うので、色についての専門サイト「色見本と配色サイト – color-sample.com」の力を借りる事にします。
サイトに行ったら上のバーから今回は橙色を選び、その中から柿色を選びました。
柿色の値を見るとRGB (sRGB) Red : 226 Green : 105 Blue : 74 となっています。
これは256階調中、赤:226、緑:105、青:74で光らせた色を混ぜる事により、この柿色ができると言う事です。
また、RGBの横に書いてあるsRGB、その下のAdobeRGBは色域の名称で、sRGB よりAdobeRGBの方が表せる色の範囲が特に緑の領域で広くなっています。
よく分からない方は、現在ネットで使われている色域の主流はsRGB になると覚えておけば良いでしょう。
また、このサイトの使い方も前述の「フォトレタッチやサイト作成で色を自由に操るための基礎知識」で詳しく解説しているのでご参照下さい。
まとめ
- デジタル写真はピクセル(画素)の集合体である。
- RGBとは光の三原色であるRed、Green、Blue の事で、この三色を混ぜ合わせる事で全ての色を作り出す事ができる。
- ビット(Bit)とはコンピューターが扱う最小の単位で、8ビットでは256の数値を表現する事ができる。
- 8ビット画像は、一つのピクセルをRGB各256階調(0〜255段階の明るさ)で光らせて色を作り出し、そのピクセルが集まる事によって画像が形成される。
このようなデジタル画像の基礎をある程度知っていると、今後Photoshopを覚えていく上で必ず役に立ちます。ただし、完璧に理解しないとダメという訳ではないのでその点は安心して下さい。
それではまた。
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