学習リモコンRM-PLZ430Dで「一発!初期設定」出来ない時の設定方法
初心者カメラストーリー【依カメラ】
初心者カメラストーリー【依カメラ】15. あの日
依はスマホのアラームで目を覚ますと、カーテン越しにも分かる強い日差しにウンザリした目を向けた。
今年の梅雨明けは異常に早く、関東では6月の末には明けてしまった。
それからは毎日のように狂ったような日差しが降り注ぎ、都会のコンクリートをジリジリと焼いて大地に熱をためづづける。その熱が大気を暖め更に気温を上昇させる。
その暑さはまるで熱せられたフライパンの上に居るようで、一歩冷房の効いた建物から外に出ると男にも女にも、老人にも子供にも情け容赦なく襲いかかった。
初心者カメラストーリー【依カメラ】14. フラットビレッジでCafe Lunch
「あの日は楽しかったなあ・・・」
休日の遅い朝。
依はベットの中でまどろみながら、藤木と日菜と三人で旧岩崎邸庭園に撮影に行った日の事を思い出していた。
あの日は庭園をあとにした後も銀座に移動して街スナップしたり、文具店の伊東屋でミニチュアを撮影したりと結局一日中三人で撮影してまわった。
初心者カメラストーリー【依カメラ】13. せっかく来たのに!?
「ゴールデンウィークに藤木さんと日菜先輩と三人でどこかに撮影に行きましょうよ」と依にちょっとすがるような眼で懇願された。
そんなに藤木さんと撮影に行きたいのかよと内心苦笑しつつも、先日の飲み会でそのうち三人で撮影に行こうと約束したし、あたしもせっかく買ったカメラを部屋を飾るオブジェから写真を撮る道具に昇格させる事についてはやぶさかではないので、行くのは良いんだけど、せっかく行くならあたしの行きたい場所にしたくって渋々OK的な感じを装い「じゃあ、あたしの行きたい場所でいいな」と宣言して勝手に場所を決めてやった。
初心者カメラストーリー【依カメラ】12. オフィスにて
「依、おはよう!」
その元気な声を聞いただけで、顔を見なくても声の主は分かる。同じ部署で働く、一つ上の日菜(ひな)先輩だ。
先輩は豪快というかフランクというか、とにかく自由な人だ。男っぽいしゃべり方をする事もあるけど、女子力が低い訳じゃ無い。それどころか凄く美人で、それでいて飾ったところが無いので、男女問わずとっても人気がある。
依は、サーバーのコーヒーを紙コップに注ぎながら振り向いた。
やっぱり日菜先輩だ!
初心者カメラストーリー【依カメラ】11. さくらがさいた
今年の桜の季節は特別だ。
依は通勤中の道すがら、ほころび始め、そして少しずつ花を増やしてゆく桜の木を毎日見つめながらそんな風に思っていた。
何でそう思うかって?
それはもちろん、ミラーレスカメラを手にしたからだ。
今までもこの季節になるとウキウキと心が浮き立ってきたし、桜の花をスマホで撮影した事もあったけど、やっぱりちゃんとしたカメラで桜の花を撮影するのはそれとは全然違うよ!嬉しくて本当にわくわくする。
初心者カメラストーリー【依カメラ】10.横浜の夜景と露出補正
閉会時間ギリギリまでCP+を楽しんだ二人が会場の外に出ると、そこには美しく暮れゆく横浜の街が広がっていた。
「わあ、きれーい!」
依は目の前に広がる美しい夜景を写真に収めようと数枚写し画像を確認したが、何だか思ったより明るく白っちゃけて写っていたので首をひねった。
「依ちゃんどうしたの?」
「何だか夜景が明るく写りすぎちゃうんです。もっと、暗くしたいんですけど」
初心者カメラストーリー【依カメラ】9. モノクロームとNikon F
「それ、モノクロで撮影した方が良いんじゃないかなあ?」 依が撮影した写真を背面液晶で確認していると、藤木がそれをのぞき込みながら言った。 「モノクロ?それって白黒の事ですか?」 「そう、正確には白黒だけじゃ無いんだけど、モノクロと言えば白黒が多いね」 「白黒だけじゃないんですか?」
初心者カメラストーリー【依カメラ】8.横浜デート?
依がスマホを片手に路上で固まっている頃、藤木の方もスマホを握りしめたまま大きく息を吐き出していた。
もともと恋愛よりカメラやパソコンなどに熱中する方が好きなタイプのいわゆる草食系なので、女性と個人的に親しくなるのは結構久しぶりだ。
でも、依ちゃんとはカメラを通して親しくなったから、共通の話題があって話しやすいよな。でも、とにかく今は依ちゃんのカメラライフを全力でサポートしよう。全てはそれからだ。
初心者カメラストーリー【依カメラ】7.はじめての街スナップ
依が住んでいる町は、古くからある住宅街だ。
大学で地方から出てきたとき、家賃の安さと治安の良さを考えて決めた町なんだけど、大学を卒業して就職が決まっても、あまりにも住み心地が良かったのでそのまま住んでいる。
だから、住み始めてもう7年以上になる。
依が眩しい日差しに目を細めながらアパートの前に出てくると、目の前の一軒家に住む池田さんの奥さんが依の事を目ざとく見つけ、庭仕事用の手袋を外しながら人懐っこい笑顔で話しかけてきた。
初心者カメラストーリー【依カメラ】6.単焦点レンズを買っちゃった!
ピッ!
オートフォーカスの合焦音が響くと、依はゆっくりシャッターボタンを押し下げた。
カシャッ!
間髪を入れず、耳と手に心地よい音と振動が伝わり、ファインダー内にたった今撮影した写真が一瞬表示される。
依はファインダーから目を離し液晶画面に目をやると再生ボタンを押して、撮影した写真を見ながらつぶやいた。
初心者カメラストーリー【依カメラ】5.カメラを譲り受けました‐後編‐
「えっと・・・」依はいきなりの提案に戸惑った。
「やっぱり、中古じゃいや?」
「そんな事ありません。誰が使ったのか分からないのはちょっといやかもだけど、藤木さんのカメラなら嫌じゃないです」
「ほんと?良かった~」ちょっと不安そうだった藤木の顔に笑顔が戻った。
「でも、なんでですか?」
初心者カメラストーリー【依カメラ】4.カメラを譲り受けました‐前編‐
そしてその夜。
連れだって会社を出た二人は、最寄り駅から私鉄に乗り数駅揺られるとターミナル駅で電車を降りた。改札を抜けると駅前ロータリーには寒風が吹きすさび、二人は思わず悲鳴を上げる。
「うおー、さむいっ!こりゃ、早く店に入らなきゃ凍えちゃうよ」
「ほんとに今夜は特に寒いですね。何でもいいから早く店を探しましょう」
二人は凍える寒さの屋外から早く暖かい店内に入ろうと、駅前の繁華街を速足で歩き、個室タイプの居酒屋を見つけるとメニューもろくに見ずに駆け込むように店に入った。
初心者カメラストーリー【依カメラ】3.こんな写真をセレクトしました!
どんな写真を選んでくるかなあ?
依とのランチを明日に控えた晩、藤木は自宅の部屋でそんな事を考えながら愛機のOLYMPUS OM-D E-M10を磨いていた。
実は藤木には考えがあるのだ。
もちろん依の意見が第一だけど、藤木としてはいきなり新品のカメラを買うんじゃなくて、カメラボディは自分のお下がりの中古にしてその分レンズに投資してほしいと考えてる。