Apple M1チップと搭載Macの特徴をまとめてみた

Mac

先日注文したM1チップを搭載したMac miniがいよいよ明日届く予定なので、その前にネットの記事やYouTubeを見まくって調べたM1搭載Macについてまとめてみようと思う。

そもそもM1チップって何なの?

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現代のパソコンには外部記憶装置(ハードディスクやSSD)の他に、CPU(中央演算処理装置)とGPU(画像演算処理装置)そしてメインメモリーが最低限必要ですが、今までのMacはそのパソコンの心臓部とも言えるCPUとGPUを外部の企業に頼っていました。

具体的にはIntel製のCPUとAMD製のGPUを搭載していたのです。

それが今回発表された3機種を皮切りに、全てのMacが今後2年をかけてアップル自社製のMシリーズチップ搭載機に切り替わる事になりました。

もちろんこのM1チップは何の前触れもなくいきなり誕生した訳ではありません。

iPhoneやiPadにはApple Aシリーズ(A12 Bionicなど)と呼ばれる自社設計のチップが搭載されていますが、今回登場したM1チップはそのAシリーズをMac専用に大幅にアップデートした新シリーズのチップなのです。

それではもっと具体的に見ていきましょう。

SoCアーキテクチャの採用

先ほどパソコンにはCPUとGPU、メモリーが必要だと言いましたが、Macを含めた今までのパソコンはメイン基板(ロジックボード)にその3つを別々の部品として搭載していました。(廉価なモデルはCPU内蔵のGPUを使っていますが性能は低い)

パソコンの場合はメイン基板の面積が広いのでそれでも大丈夫だし、それが故にユーザーが後からメモリを増設したりできる拡張性も担保されています。

しかし、もっと小さな機器だとどうでしょうか?

例えばあなたが毎日利用しているスマートフォン。

この小さな機器にCPUやGPUを別々に搭載していたのでは場所も取るし、色々な面で効率が悪い。

そこで生まれたのが色々な機能を一つのチップに統合したSoC(System on a Chip)なのです。

このSoC、当初は小型化と電力の効率化が最優先だった為パソコン用のCPUと比べると性能はかなり低く、その搭載機器の動作もとても重いものでした。

最初の頃のスマホやタブレットの動作を思い出してみてください。今では考えられないくらい遅かったですよね。

そんなSoCもいつの間にか性能が上がり、今では余程の高性能パソコンでない限りiPadのサクサク感には敵わなくなりました。

そして、遂にはパソコンに搭載されるまでに成長したのです!

高性能と高能率8つのコアを搭載したCPU

M1チップには4つの高性能コアと4つの高能率コアの計8コアを搭載。

ネットの閲覧や文書作成など、CPUにほとんど負荷のかからない軽い作業時には低消費電力の高能率コアが働き消費電力や発熱を抑え、動画の作成や書き出しなど負荷の掛かる作業時には高能率コアに加えて高性能コアも稼働し、バリバリ作業をこなします。

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ユニファイドメモリで効率アップ

今回発表されたMacの仕様を見るとユニファイドメモリという聞き慣れない言葉が出てきますが、これは何なのでしょうか?

このUMA(ユニファイドメモリアーキテクチャ)は、チップの中に内包したメインメモリ(DRAM)をシステム全体で共有する事により性能と電力効率を劇的に向上させるシステムです。

今までのパソコンではメインメモリの他にCPUはキャッシュメモリを持ち、GPUはビデオメモリを持っていた為、同じデータを相互にやりとりする必要がある場合がありましたが、UMAでは同じチップ内に収まったDRAMやキャッシュメモリにファブリックを介してSoC内の全てのテクノロジーがアクセス出来る事から、同じデータを無駄にコピーする必要がなくなり効率やスピードが劇的に高まったのです。

x86からARMへのアーキテクチャ変更

先ほど今までのMacにはIntel製のCPUが搭載されていると書きましたが、このCPUはx86と言うアーキテクチャで動いているx86プロセッサです。

詳しい事は覚えなくても良いのでざっくり書くと、このx86プロセッサはx86語しか理解出来ないので、例えばx97語(そんな物はありませんが)で命令されても全く意味不明で理解も実行も出来ないのです。

それだけCPUのアーキテクチャはパソコンにとって重要なのですが、今回発表されたM1チップのアーキテクチャはx86ではなくARMが採用されています。

だからM1チップは、今まで開発されてきた膨大なx86プロセッサ用のアプリ全てを実行できません。いやアプリどころかmacOS自体も今までのバージョンでは動かないのです。

もちろんそれでは困るので、M1Mac用に新たなオペレーティングシステム(OS)Big Surが開発され、Apple製のアプリも全てM1でも動くように書き直されました。

それではApple以外のアプリはどうなるの?

気になりますよね?でも安心して下さい。

詳細は次章で。

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Rosetta 2

先ほどの章でx86プロセッサ用のアプリはARMプロセッサのM1では実行出来ないと書きましたが、正確にはそのままでは実行出来ない、です。

エミュレーターという言葉をあなたも聞いた事があると思いますが、パソコンで言うエミュレータとはあるシステムを真似るアプリの事になります。

例えばMacやWindows上でファミコンのソフトを動かすファミコンエミュレーターやMac上でWindowsを動かす仮想化ソフト「Parallels Desktop」などもエミュレーターになります。

ここまでの解説で察しがついていると思いますが、今回のM1チップ用のmacOS Big SurにはRosetta 2と言うエミュレーターが搭載されていて、M1プロセッサ搭載のMacにx86プロセッサ用のアプリをインストールしようとすると自動的にRosetta 2のインストーラが立ち上がってインストールを促します。(初回のみ)

Rosetta 2がインストールされた状態になると、x86プロセッサ用のアプリはインストール時にM1チップで動くように変換されてインストールされるので、ユーザはその存在を気にする事なくアプリを使う事ができるのです。

もちろんM1ネイティブアプリに比べると動作は遅くなりますが、M1チップ自体がパワフルなのでエミュレーションしたアプリの動作速度も十分以上に早いのです。

Neural Engineで機械学習(ML)活用アプリが高速に

これについてはあまり詳しく無い(と言うかほとんど知らない)のでボロが出ない様に簡単に解説すると、M1チップには16コアのNeural Engineが乗っていて、Final Cut Proなど機械学習が用いられるアプリの処理が大変高速になるようです。

多分ですが、AdobeのPhotoshopなどに搭載されているAI(Adobe Sensei)を用いた自動切り抜きなどの処理もさらに賢く高速になると思います。(俺の推論です)

統合型グラフィックでは世界最速の8コアGPUを搭載

かなり前からCPUにはグラフィック機能が内蔵されるようになり(入ってないCPUもある)3Dゲームをしたり、写真や動画の編集など重い処理をやらないならディスクリート型GPU搭載の必要性は少なくなりました。

しかしMacユーザにはクリエィティブな作業をする方が多いので、それなりのグラフィックパワーは必要でしょう。

でも安心して下さい。

M1チップには数年前の中級ディスクリート型のGPU並みの性能を発揮する8コアGPUが内蔵されているので、4K動画の編集などの重い作業もバリバリこなすことが出来るのです!

内蔵GPUでここまで出来ちゃうなんて、ちょっとビックリですよね。

iOSのアプリも動きます

最初の方でM1チップはiPhoneやiPadに搭載されてるAシリーズチップのテクノロジーを用いて開発されたと書きましたが、察しの良い方なら思うよね、これってiPhoneやiPadのアプリも動くんじゃね?と。

そうなんです!M1チップ搭載のMacなら膨大な数のiOS(とiPad OS)用のアプリが現時点でもかなりたくさん動作する事が確認されています。

それだけでも嬉しい事ですが、今後の展開として最初からiPadやiPhoneとMac、それら全てに対応したアプリの開発がどんどん行われて行くことは容易に想像できます。

同じアプリが手持ちのApple機器全てでシームレスに動くようになる未来、想像しただけでワクワクします!

Apple M1チップ搭載Macは結局どんな感じ?

俺が調べた範囲ですが、良い点と悪い点を上げて見ます。

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良い点

  • 動作がキビキビしている
  • 熱効率が高くバッテリーが異常に持つ
  • 起動が早くスリープ解除は一瞬
  • 動画や画像の編集などの重い処理でも動作が安定していて早い
  • 発熱が少ないのでファンがほとんど回らず大変静か
  • Wi-Fi6対応

悪い点

  • メモリが最大でも16GBしか積めない(UMAの制約?)
  • 外部モニターへの出力はノートタイプは1台、miniは2台(ThunderboltとHDMI各1台ずつ)まで
  • Thunderbolt / USB 4ポートが2口しか無い
  • Windowsが動かない
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まとめ

M1チップ搭載Macは、良い点も悪い点もほとんど全ての機能をワンチップに集約した点(そのためにアーキテクチャーも変わった)に起因する事がほとんどです。

ARMは元々少ない電力で効率よく動くプロセッサで、消費電力が少ないので当然発熱も抑えられる。だからこそファンレスのairが成立し、ファンのあるPro 13インチもminiもかなり負荷を掛けないとファンが回らず大変静かでパワフルなマシンになりました。

しかし、色々な機能をワンチップに集約するという事は言い換えれば、同じパッケージに搭載できる機能しか載せられないことを意味する。

だから、今の世代のMシリーズチップにはDRAMは16GBしか積めず、Thunderbolt / USB 4ポートもハードウェア上の制約で2ポートになっているのだろう。

当然Mシリーズチップの世代が進めばそれらの制約も解除されてきて、更に凄い性能になる事は予想できる。

もちろん、今回登場したM1チップも十分化け物ですが(笑)

それではまた。

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