静電容量無接点キーボード 選び方のポイントとおすすめ機種

静電容量無接点キーボード 周辺機器

キーボードを探している時に、2〜3万円もするやたらと高いキーボードを見つけたことはありませんか?

おそらくそれは「静電容量無接点方式」を採用した、ある意味究極のキーボードです。

ビックリするような値段ですが、それだけの価値があるから製品として世に出てずっと支持されているのです。

そんなキーボードの最高峰を今回はご紹介します。

静電容量無接点方式キーボードとは?

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文字通り、静電容量無接点方式キースイッチを採用したキーボードのこと。

指が疲れず入力ミスも起こりづらいため、ミスを起こすと大変な事になる銀行など本当のプロの現場で使われているキーボードです。

入力の仕組み

電極端子の接触によってスイッチのオンオフを行うメカニカルキーボードと違って、内部の円錐バネを押し下げることによって生じる電荷の容量値変化をとらえ、無接点でスイッチングを行い入力します。

静電容量無接点方式のメリットとデメリット

静電容量無接点方式のキーボードを他の方式と比べ、そのメリットとデメリットを解説します。

メリット

スコスコと軽くて滑らかなキーの打ち心地

言葉で説明するのは難しいのですが、機械的接点がほとんど無いためスッと軽くキーが沈み込み、底付きすること無く内部のバネの絶妙の反発力で指を押し戻す、この感触が最高なのです。

このキーの感触は身近にあるセブンイレブンのATMで味わえるので、 残高紹介でもして、ぜひその絶妙なキータッチを試してみて下さい。

指が疲れずたくさん入力しても痛めない

質の悪いキーボードでタイピングを続けていると指が疲れたり、場合によっては指を痛めて長時間の入力が困難になってしまいます。

しかし、この静電容量無接点方式キーボードは軽いタッチで、キーの底付きによる衝撃もないので指への負担がとても少なく、楽に入力できる事から、指を痛める危険性がとても少なくなっています。

耐久性がとても高いため長く使える

静電容量無接点法式は無接点というだけあってスイッチ部分に機械的な接点がないため、劣化がほとんどなく、他のどのタイプのキーボードよりも耐久性に関しては優っています。

そのスイッチは、5000万回の入力に耐えられ、万が一故障してもそのキーのみ交換できるので、ある意味半永久的に使えると言えるでしょう。

チャタリングが発生しない

チャタリングとは、機械式スイッチなどで、離れていた接点を接触させる(オンにする)瞬間に、微細な振動が発生して短時間にオンとオフを高速に繰り返す現象のことで、これが発生すると同じ文字が何度も入力されたり、入力漏れを起こしたりします。

そのチャタリングですが、静電容量無接点方式のスイッチには物理的な接点がなく、スイッチが入る位置と切れる位置に差を設けているためチャタリングは理論上発生しません。つまり、高速でタイピングしても二重入力や入力漏れが発生しないのです。

腕に覚えのある方、嬉しいですよね(笑)

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デメリット

価格が高い

性能的なデメリットはほとんどありませんが、唯一にして最大のデメリットが価格の高さです。

メカニカルキーボードはどんなに高くても1万数千円ですが、このキーボードは最低でも1万円台後半と圧倒的な高価格です。

「それじゃあ高くて買えないよ」あなたはそんなふうに思ったかもしれません。確かにキーボードに2万円以上かけるなんて普通は考えないでしょう。

しかし、先ほど解説したメリットを思い出してみて下さい。

耐久性が驚くほど高く、入力が楽で指を痛めない。

もしもあなたが毎日キーボード入力をたくさん行うプログラマーやSE、ブロガーなどの職業だったならどうでしょう?

たとえ3万円出しても、10年使えば一日8.2円です。

うまい棒1本以下の値段で、毎日最高のキーボードを使って入力出来るなら、メリットの方が大幅に上回ると思うはず。

そういう事です。

静電容量無接点方式キーボードの選び方

静電容量無接点方式キースイッチは、国内では東プレ(株)一社が製造し、キーボードの製造販売メーカーも東プレとPFUの2社しかありませんし、世界的に見ても中華メーカーを加えた数社しか製造していません。

ですから国産に絞ると、静電容量無接点方式キーボードのシリーズは、東プレのREALFORCEとPFUのHappy Hacking Keyboard(HHKB)しか無いので、必然的にこの中から製品を選ぶことになります。

しかしこのREALFORCEとHHKB、細かな仕様の違いによって製品が分かれているため、そのラインナップは膨大で選び方も難しくなっています。

主な選択ポイントは下記になります。

  • 本体カラー(白or黒)
  • 日本語配列か英語配列か
  • キーの重さ
  • スイッチ音の大きさ
  • APC機能の有無
  • キー数(フルサイズ、テンキーレス、コンパクト)
  • インターフェイス(有線、無線)
  • かな刻印の有無
  • キーキャップの印字方法

これらの組み合わせパターンが多数あるため、製品ラインナップが多くなっています。

キーの重さ

東プレのキースイッチには、30g、45gの2種類に加えて、英語配列テンキーレスキーボードのみに使われている55gの計3種類があり、製品としては、その3種類に加えて、人差し指など力の強い指で押すキーには45gスイッチ、力の弱い小指で押すキーには30gスイッチを用いた変荷重タイプがあります。

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スイッチ音の大きさ

静電容量無接点方のキースイッチはメカニカルスイッチに比べて音は静かですが、更に静かな静音タイプもラインナップされているので、好みや使う場所によって選ぶと良いでしょう。

ただし標準スイッチと静音スイッチではキータッチに違いがあるので、キータッチにこだわる方は注意して下さい。

APC機能の有無

APCとは、アクチュエーション・ポイント・チェンジャーの略。

アクチュエーションポイントとは、0地点からキーを押し下げていき、入力信号が発生するまでの距離の事で、APC機能があると、このポイントを1.5mm、2.2mm、3.0mmの3つの位置から自分の好みに合わせて選ぶことができます。

大変便利ですごい機能ですが、搭載モデルの価格が跳ね上がるのが…

キー数

日本語配列とUS配列キーボードには、それぞれテンキー付きのフルサイズとテンキーレスがあり、更にファンクションキーなどを省いた特殊なコンパクトキーボードがあります。

インターフェイス(有線or無線or両方)

USBかPS/2での有線接続方式の機種が接続の安定性、遅延の少なさ、価格の安さなど、優れている点が多いのですが、無線方式にはケーブルからの解放に加えて、スマホやタブレットなど複数の機器に接続できる圧倒的な利便性があります。

その両方を兼ね備えた有線と無線のハイブリッド接続方式が最強ですが、まだ機種も少なく値段も高いのがネックです。

予算や使い方などをよく考えて、あなたに最適な方式を選びましょう。

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キーキャップの印字方法

REALFORCEには主にレーザー印刷と昇華印刷(サブリメーション印刷)が使われていて、HHKBには昇華印刷が使われています。

レーザー印刷は表面をレーザーで焼き付ける印字方式で、かつプラスチックの素材として耐久性のやや低いABSが使われているため、長期間の使用による摩擦によって印字が薄くなり、表面がテカテカして来ます。

一方昇華印刷は樹脂にインクを高熱で染み込ませて印字する方式で、かつプラスチックの素材として耐熱性・耐摩耗性の高いPBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂)が使用されるので、長期間の使用でも印字が剥げず表面もテカりません。

REALFORCEのブラックカラーかつ、ゴールド印字の機種のみ耐久性の低いレーザー印刷が使われているので、選ぶ場合は注意しましょう。

静電容量無接点方式キーボードのおすすめ機種

REALFORCE、HHKB共にたくさんのバリエーションがある為、ここでは私が一番使いやすいと考える、APSなし、スイッチ音標準、変荷重のモデルを中心にご紹介します。

これは私が主に文章入力に使用する為で、例えばゲームや音楽作成などに使用する方には、変荷重モデルよりも、45gなどの等荷重モデルの方が使いやすいかも知れません。

またAPSについては、搭載モデルと非搭載モデルで約5,000円の価格差がある為、ゲーマーなど余程アクチュエーションポイントにこだわる方以外は必要ないと判断しました。

REALFORCE 日本語配列フルサイズ

REALFORCE / R2-JPV-IV

参考価格:¥18,000

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
アイボリー(昇華印刷)なし標準変荷重

日本語配列の基本モデルです。

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REALFORCE / R2-JP4-BK

参考価格:¥17,470

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
ブラック(レーザー)なし標準45g

ブラックカラー、キー荷重45gのモデル。キーキャップの印字がレーザー印刷なのがネックです。

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REALFORCE / R2S-JPV-IV

参考価格:¥25,073

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
アイボリー(昇華印刷)なし静音変荷重

基本モデルに静音スイッチを搭載。

REALFORCE 日本語配列テンキーレス

REALFORCE / R2TL-JPV-IV

参考価格:¥17,890

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
アイボリー(昇華印刷)なし標準変荷重

日本語配列テンキーレスの基本モデルです。

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REALFORCE / R2TL-JP4-BK

参考価格:¥18,700

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
ブラック(レーザー)なし標準45g

テンキーレスのブラックカラー、キー荷重45gのモデル。キーキャップの印字がレーザー印刷なのがネックです。

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REALFORCE / R2TLS-JPV-IV

参考価格:¥22,540

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
アイボリー(昇華印刷)なし静音変荷重

テンキーレスの基本モデルに静音スイッチを搭載。

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REALFORCE 英語配列フルサイズ

REALFORCE / R2-USV-(IV,BK)

参考価格:¥21,600

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
アイボリー(昇華印刷)
ブラック(昇華印刷)
なし標準変荷重

英語配列の基本モデルです。アイボリーとブラックが選べます。

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REALFORCE / R2-US3-(IV,BK)

参考価格:¥21,598

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
アイボリー(昇華印刷)
ブラック(昇華印刷)
なし標準30g

基本モデルに30gのキースイッチを搭載したモデル。軽いタッチがお好みの方に。

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REALFORCE / R2S-USV-(IV,BK)

参考価格:¥24,784

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
アイボリー(昇華印刷)
ブラック(昇華印刷)
なし静音変荷重

基本モデルに静音スイッチを搭載したモデル。ブラックタイプも昇華印刷ですが、文字が見にくいのでブラインドタッチをマスターしていない方はその点を注意して選びましょう。

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REALFORCE 英語配列テンキーレス

REALFORCE / R2TL-USV-(IV,BK)

参考価格:¥20,480

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
アイボリー(昇華印刷)
ブラック(昇華印刷)
なし標準変荷重

英語配列テンキーレスの基本モデルです。

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REALFORCE / R2TL-US5-(IV,BK)

参考価格:¥19,880

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
アイボリー(昇華印刷)
ブラック(昇華印刷)
なし標準55g

基本モデルに55gのキースイッチを搭載したモデル。重めのタッチがお好みの方に。

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REALFORCE / R2TLS-USV-(IV,BK)

参考価格:¥23,520

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
アイボリー(昇華印刷)
ブラック(昇華印刷)
なし静音変荷重

基本モデルに静音スイッチを搭載したモデル。

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HHKB 英語配列

HHKB Professional HYBRID Type-S 英語配列(墨・白)

Type-S 英語配列

参考価格:¥35,200

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
墨(昇華印刷)
白(昇華印刷)
なし静音45g

HHKBの最上位モデルで、 BluetoothとUSB接続(Type-C)の両接続方式に対応し、高速タイピング性(Speed)と静粛性(Silent)に優れた「Type-S」キー構造を採用しています。通常モデルとはキータッチが違うので、その点は注意して下さい。

HHKB Professional HYBRID 英語配列(墨・白)

HYBRID 英語配列

参考価格:¥30,250

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
墨(昇華印刷)
白(昇華印刷)
なし標準45g

新生HHKBの中核モデルでBluetoothとUSB接続(Type-C)の両接続方式に対応しているので、どんな場所、どんな環境でもHHKBの極上のキータッチを味わいながら入力作業ができます。

HHKB Professional Classic 英語配列(墨・白)

Classic 英語配列

参考価格:¥25,300

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
墨(昇華印刷)
白(昇華印刷)
なし標準45g

オリジナルHHKBの系譜を継承するUSB有線接続(Type-C)のみに特化したモデル。電池室の無いシンプルなスタイルが特徴です。また、USB Type-Cに対応した最近のiPadProでも利用する事が出来ます。

HHKB 日本語配列

HHKB Professional HYBRID Type-S 日本語配列(墨・白)

Type-S 日本語配列

参考価格:¥35,200

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
墨(昇華印刷)
白(昇華印刷)
なし静音45g

HHKBの最上位モデルで、 BluetoothとUSB接続(Type-C)の両接続方式に対応し、高速タイピング性(Speed)と静粛性(Silent)に優れた「Type-S」キー構造を採用しています。通常モデルとはキータッチが違うので、その点は注意して下さい。

HHKB Professional HYBRID 日本語配列(墨・白)

HYBRID 日本語配列

参考価格:¥30,250

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
墨(昇華印刷)
白(昇華印刷)
なし標準45g

新生HHKBの中核モデルでBluetoothとUSB接続(Type-C)の両接続方式に対応しているので、どんな場所、どんな環境でもHHKBの極上のキータッチを味わいながら入力作業ができます。

HHKB Professional JP(墨・白)

Professional JP

参考価格:¥23,207

本体カラーAPSスイッチ音キー荷重
墨(昇華印刷)
白(昇華印刷)
なし標準45g

日本語配列の有線モデルについては、新モデルが出ていないので旧モデルのProfessional JPをご紹介しておきます。また、このモデルは在庫品限りでかつ新モデルが出るかは不明なので、日本語有線モデルが欲しい方はお早めにお求め下さい。

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まとめ

静電容量無接点方式キーボードは高価なので買うのに勇気がいると思いますが、それに見合ったリターンが必ずあると思うので、店頭などで確かめてキータッチが気に入った方は思い切って買い求めるのも有りだと思う。

ただし、高価な買い物になるので自分に合ったモデルを慎重に探して欲しい。

そしてこの記事が、その選択時の一助になれば幸いです。

それではまた。

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