iPhone11シリーズそのカメラの凄さはレンズより制御にある!?

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こんにちはaki99です。

先日行われたアップルのイベントで、新型iPhone11が発表されてから、雨後の筍の様にネット上にiPhone11に関する記事や動画が溢れる様に投稿されています。

そんな中で今更俺が価格とか買い方についての記事を投稿しても仕方がないので、俺は自分の得意な知識を活かして、iPhone11のカメラ技術について考察してみようと思います。

iPhone 11シリーズのカメラの違い

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iPhone11シリーズには、超広角、広角、望遠という3種類のカメラモジュール(レンズとセンサーの組み合わせ)があり、iPhone11 ProとPro MAXにはその3種類全てが搭載され、iPhone11には望遠を除いた2種類が搭載されています。

だから、カメラ性能でiPhone11シリーズの中から機種を選ぶなら、まずは望遠レンズが必要かそうでないかを考える必要があ理ます。

これから、3種類のカメラモジュールについて詳しく解説していくので、それを読んで自分に必要な機種を判断して下さい。

iPhone 11シリーズカメラの各レンズについて

この章では3種類のカメラモジュールについて、一つ一つ詳しく解説します。

超広角カメラ(レンズ)

超広角レンズとは文字通り、超広い角度で写すことが出来るレンズでそのスペックは、焦点距離13mm、f2.4になります。

こんな風に書いてもカメラに詳しい人以外はなんじゃそりゃ?って感じだと思うので、これから初心者でも良くわかるようにかみ砕いて解説したいと思います。

まず焦点距離について。

焦点距離とは、無限遠にピントを合わせた時のレンズから撮像面(イメージセンサーやフィルム)までの距離のことです。

Nikonイメージングサイトより引用

上の図を見れば分かるように、焦点距離が短くなればなるほど画角が広くなるので、広い範囲が写せるようになります。

それを踏まえて、焦点距離13mmの超広角レンズについて見て行きましょう。

ここで、あれ?と疑問を持ったあなたは鋭い!

iPhone11の厚みは8mm程度なのに何で焦点距離13mmのカメラモジュールが収まるのかと。

実は、この13mmというのは今でいうフルサイズカメラのイメージセンサーを基準にした焦点距離で、正確には35mmフルサイズ換算13mm相当というのが正しいのです。

だから、フルサイズセンサーよりずっと小さなセンサーを使っているiPhoneのカメラレンズの実焦点距離はもっと短いんだけど、世の中には色々なサイズのイメージセンサーがあるので、例えばiPhone11のカメラモジュール(レンズとセンサーの組み合わせ)の焦点距離は4.3mm(適当な値です)で、これはフルサイズ換算13mmに相当します。何て表示してもカメラに詳しい人しか理解できないので、昔から一般的に用いられていた35mmフィルム(フルサイズとは正確には35mmフルサイズの事です)の大きさを基準にした焦点距離を表示しているのです。

では、その13mm相当の焦点距離のレンズは、どれだけ広い範囲を写せるのでしょうか?

そこでAppleのサイトを見てみると、超広角カメラのスペックに120度の視野角との記述があります。

これは、iPhoneを横に構えた時に正面から左右60度ずつの計120度の範囲を写せることを意味します。もちろん、縦に構えれば正面から上下60度の計120度になりますね。

これは例えば、すぐ目の前にある高い樹木を根本からてっぺんまで写したり、狭い部屋に集まった5人の友達を一遍に写せたりする。そんなイメージです。

フルサイズセンサーの一眼レフカメラ用の超広角ズームレンズの一般的な焦点距離が12-24mm(12mmから24mmまで焦点距離を変化させられるレンズ)なことを考えたら、この13mmがどれだけ広い範囲を写せるか分かるでしょう。

この写真は俺の持っている一番広角のレンズ、フルサイズ換算16mm相当で写した写真です。これでもかなり広く写せているのが分かると思うけど、iPhone11は更に広角です。

そんなレンズがこんな小さなiPhoneに。本当に凄いと思う。

次にf /2.4絞り値についてですが、これは簡単に言えばレンズの光の取り込みやすさを表す数値で、値が小さいほど少ない光でも綺麗に写せるレンズ(いわゆる明るいレンズ)になります。また、背景のボケも値が小さいほど大きくボケます。

ただしiPhoneのセンサーはとても小さいので(センサーが大きい方がボケやすい)いわゆる一眼カメラで写したようなボケの大きな写真を写すことは出来ません。(画像処理を除く)

先ほど比較した一眼レフカメラ用の超広角ズームレンズ、12-24mmの中でも高級なタイプのF値が2.8な事を考えても、十分明るいレンズである事が分かります。

広角カメラ(レンズ)

光学的なことについては、超広角カメラのところで十分解説したので、ここからはサクサク行きます。

広角レンズとは文字通り、広い角度で写すことが出来るレンズで、スペックは焦点距離26mm、f1.8になります。

レンズ交換式のいわゆる一眼カメラの世界では、一昔前までは28mmが広角レンズのスタンダードな焦点距離でした。(その前は35mm)しかし、技術の進歩で一般的に使われる広角レンズの画角はどんどん広くなり現在では24mmが広角レンズのスタンダードになりつつあります。

iPhone11の広角レンズは26mmですから、ちょうど中間の使いやすい焦点距離だと思います。

下の画像は俺が持っているマイクロフォーサーズカメラのレンズを13mm(フルサイズ換算26mm)に設定して目の前の24インチモニターを写したもの。

26mm相当で撮影

これを見れば分かるように、この画角では人が目の前を注視した時、目の前のピントが合って見えている部分より少し広い範囲が写されています。

とても使いやすい画角である事が分かりますね。

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望遠カメラ(レンズ)

最後にProシリーズのみに搭載されている望遠カメラについて紹介します。

スペックは、焦点距離52mm、f2.0、そして2倍の光学ズームが付いています。ですから、52mm -104mmのズームレンズという事になりますね。

この52mmという焦点距離は一般的には標準レンズと呼ばれる焦点域ですが、スマホでは従来から30mm前後のレンズが用いられて来たので、スマホのカメラしか知らないなら十分に望遠レンズだと感じられるのかも知れません。

もちろん、ズームして104mmともなれば十分に望遠域と言えます。

先ほどと同じように目の前のモニターを52mm相当と100mm相当(付いていたレンズは100mmまでしか写せなかったので^^;)で撮影して見ました。

52mm相当で撮影

100mm相当で撮影

これを見ればおおよその画角がイメージ出来るでしょう。

3つのレンズの制御が凄い!

ここまで3種類のカメラについて見て来ましたが、iPhone11シリーズが凄いのはここからです。

最初にiPhone11 ProとPro MAXには3種類のカメラモジュールがiPhone11には望遠レンズを除いた2種類のカメラモジュールが搭載されていると書きましたが、通常デジカメのセンサーは一つで、そこに付くレンズを交換したりズームしたりして色々な画角の写真を写します。

しかし、iPhoneなどのスマホカメラの場合はその薄い筐体を維持したまま、レンジの広いズームレンズを搭載するのは現在の技術では不可能だし、当然レンズ交換も出来ないので、交換する代わりに複数のレンズを搭載することになりました。

もちろん、複数のレンズから一つのセンサーに光を届けることは出来ないので、センサーもレンズの数だけ搭載することになります。

いわば、複数のカメラが搭載されているのと一緒なのです。

ここでアップルのサイトから、カメラモジュールの制御に関する解説部分を引用してみます。

プロレベルのカメラシステムを設計するにあたって考慮したこと。それは、3つのカメラが1つのカメラとしてシームレスに機能することです。

根本的な課題は、3つのセンサーで同じ色のシステムを使ったとしても、カメラモジュールが違うと色味と感度が異なってしまうことでした。これに対応するために、Appleのエンジニアたちはホワイトバランスや露出などをカメラごとに精密に調整。それをさらに先へ進めて、3つのカメラをペアリングした上でモジュール間で再度調整しました。

Appleサイトより引用

アップルのサイトにもこのように書かれていますが、3つのカメラモジュールが生成する画像の露出や色味を完全に揃える事は、想像以上に大変なのです。

実は一眼レフなどのレンズ交換式カメラは、使用レンズによって微妙に色味が変わったりするのですが、その違いはレンズの味としてポジティブに捉えられることが多いし、また撮影者にも違うレンズを使っているという意識があるので大きな違和感は感じません。

しかし、スマホカメラの場合は違います。

ちょっと想像してみて下さい。

同じiPhoneで撮影したのに、広角レンズで写した写真と望遠レンズで写した写真の色が違っていたら、違和感ありまくりですよね。

撮影者にはiPhoneのカメラで撮影してるという意識しかないのですから。

だからアップルのエンジニアは3つのカメラモジュールがあたかも1つのカメラであると感じるよう、苦労を重ねてチューニングしたのです。

新しいカメラ体験を生む優れたインターフェース

まずはこの動画をご覧下さい。

英語が苦手な俺には解説の言葉は良く分からないけど、画面操作を見ているだけでiPhone11Proのカメラ機能のすごさが分かると思う。

特に 1:10 辺りに出てくる半円形の操作部を親指で動かし、超広角から望遠までシームレスにズーム操作するところは軽く鳥肌が立ちました。

カメラモジュールがたくさん付いていても、それを操作するインターフェースが貧弱だと結局は上手く使えずに宝の持ち腐れになってしまうが、このiPhone11のインターフェースは本当に直感的で使いやすそうです。

さすがアップル!

ただし、超広角と広角レンズは単焦点なので光学的にズームする事は出来ません。だから、望遠域の52mmから104mmを除いたレンズ間はデジタルズームになっていると思われます。

ですから、画質の劣化を極力抑えたい場合は各レンズの素の焦点距離で撮影した方がいいでしょう。

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まとめ

最近ではiPhoneの画質は一眼レフを超えた?などと言われる事もありますが、センサーもレンズも大幅に大きい一眼レフやミラーレスカメラに追いついたとは俺は思いません。

でも、最近の写真はほとんどがスマホの小さな画面やSNSの小さな画像サイズで消費されるから、その小さなサイズでは見比べても大きな違いは感じられず、逆にスマホの画面で綺麗に見えるようにチューニングされたiPhoneの写真の方が綺麗に感じられるのかも知れません。

でも、俺が思うiPhoneのカメラの凄さはそこではありません。

ではどこか?

それは常に携帯し、いつでもどこでも撮影できるところにあると思う。しかも、簡単に高画質で撮影できる。

先日犬の散歩をしていたら、近所の小川脇のフェンスに大きな黒っぽい鳥が止まっていた。遠目にはカラスに見えたけど近づいて行くとどうもフォルムが違う。

更に近づいてよく見るとその鳥は川鵜(かわう)だった。

その時俺はスマホを持っていなかったので、撮影出来ずにめっちゃ後悔した。

一度家に戻ってミラーレスカメラを持ってその場に戻ったら、まだ止まっていたので幸い撮影出来たが、戻った時にもう立ち去っていたら更に後悔したと思う。

このように被写体にはいつ出会うか分からない。

だから、いつでも携帯できるカメラ=iPhoneは素晴らしいんだ。

それではまた。

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