こんにちはaki99です。
『依カメラ』の藤木くんと依ちゃんの写真講座第3回
初心者写真から脱却するためには、やっぱり[keikou]「三分割構図」の習得が手っ取り早い?[/keikou]ついでに、他の分割構図も教えてよ~!
初心者の依ちゃんがベテランの藤木くんと会話しながら、カメラと写真の知識を吸収する様子を一緒に楽しめば、あなたの写真知識もいつの間にか豊富に?!
この前藤木さんに「日の丸構図」や「オフセンター構図」を教えてもらって構図に興味を持ったから、ネットで少し調べてみたら「三分割構図」をまず覚えようって教えてるサイトが多くて、迷ったらとりあえず三分割法を使っとけって書いてたサイトもあったけど、これってほんとですか?
確かに三分割構図を使えば素人っぽい日の丸構図からは脱却できるし、どんな被写体でもそれなりにいい感じに撮れるから、ある意味本当かな。でも、だからと言って何でもかんでも三分割構図じゃワンパターンになっちゃうから気をつけなきゃだめだよ。
そうかあ。じゃあ今日は三分割法の使い方を教えてくれる?
うん。でもせっかくだから三分割だけじゃなくて他の分割法も教えてあげるね。
ありがとう(^^)
フレーミングと構図の違いと構図の作り方
フレーミングと構図って同じように使われる事が多くて、ぼくもごっちゃにして使っちゃう事もあるけど本当は分けて考えるべきなんだ。
そうなの?
簡単に言うとフレーミングは写す範囲をざっくり決める事で、フレーミングした画面内を整理したりアレンジしたりして構成を整える事を構図を作ると言うのが正しいんだ。
それって一緒でも良いんじゃないですか?
例えば綺麗に咲いているコスモスの花一輪を撮影しようとする場合、花一輪だけをアップで写そうか、それとも広角にして他の花と一緒に写す?そうだ、空に綺麗な雲が浮かんでるから下からあおって空と雲も一緒に写そう!
この様にして写す範囲を決めるのがフレーミング。
そして、花を画面のどの位置の置こうか。雲とのバランスは?等を考えて画面を撮影状態に持って行く事が構図を整える事なんだ。
そして、画面を整えるときの指標になるのがこれから教える「三分割法」などの構図法なんだ。
そっかあ。そう考えると確かに分けた方が分かりやすいですね。
じゃあこれから、分割の構図を数種類教えるね。
分割の構図
画面をいくつかの線で分割して、その交点に被写体を置いたりラインで区切ったりする分割法は昔から写真の基礎なんだ。その中でも二分割と三分割はよく使われる定番の技法で、これを覚えるだけで構図のバリエーションがとても広がるんだ。
二分割構図
この写真、依ちゃんが館山で写した写真なんだけど覚えてる?
コレは確か・・・真ん中の船を狙って写したと思います。
そうだよね。だから、この写真は典型的な日の丸構図なんだけど、よく見ると画面の真ん中で空と海に分かれてるでしょ?
だからこの写真は、日の丸構図と二分割構図の合わせ技構図になるんだ。
二分割構図の中でも、横の二分割は水平線や地平線との相性が抜群でよく使われるから覚えておいてね。
次の写真は縦の二分割構図で、見れば分かるように白い柱の左右にまったく違う被写体が写るように画面を構成してるんだ。
縦の二分割は使いどころが難しいけど、両方を同じくらい見せたいときに使えばいいんじゃないかな。
二分割法は次に教える三分割法に比べて使いどころが難しいけど、うまく使えばとてもインパクトの強い写真が撮れるから頭に入れておいて、色々と試してみてね。
三分割構図
三分割構図は画面を縦横に三分割する構図なんだけど、大きく分けると線の交点に被写体を置く場合と、エリアで分ける場合とがあるんだ。
交点とエリア?
うん、まずはこの写真を見てごらん。
これはコスモスの花を逆光でとらえた写真だけど、花の中心が右下の交点とぴったり重なってるでしょ。
これが典型的な三分割構図で写した写真なんだけど、依ちゃんどう思う?
もっとアップなら日の丸構図でも良いと思うけど、このくらいの大きさで写すなら真ん中よりもバランスがよく感じます。
じゃあ次はひだまりで気持ちよさそうに寝ているネコちゃんの写真。
これも右上の交点にネコが重なってるけど、何で右下や左下にしてないのか分かる?
えっと・・・下側に持ってくると画面が窮屈になっちゃう気がします。
そうだね。それもあるんだけど、もう一つ大事なのは目線なんだ。
目線?
このネコの場合は目を閉じてるけど、それでも目や顔の向いている空間を空けた方が画面がゆったりしたり、未来感や希望などのポジティブな感情が湧きやすいんだ。
だから逆に焦燥感などを表現したい場合は、目線や顔の向きを画面の端にもってくるといいよ。
もちろん、被写体によっても変わってくるから一概には言えないけど、一つの考えとして覚えておいてね。
この紅葉の写真は右下の交点にメインの葉っぱが重なっているけど、エリアとしても左側の陰の部分と右側の葉っぱの部分に三分割のラインで分かれてるでしょ。
次の写真はもっと分かりやすくって、手前側のイチョウの落ち葉と奥側の林や空の部分が横の三分割ラインで綺麗に分かれてる。これが典型的なエリアで分けた三分割構図なんだ。
このエリアで分けるのって、水平線や地平線でも使いやすそうですね。
もちろん!(^_^)
多分割構図
三分割構図でも良いんだけど自分の感覚的にはもう少し端にメインの被写体を持って行きたいと感じる事がある。そんなときに使うのが四分割などの多分割構図なんだ。
この電車はローカル路線として有名な千葉県のいすみ鉄道だけど、この時も三分割だとちょっと中央よりな気がしても少し端に持って行ったんだ。
撮影した時は特に四分割を意識したわけでは無いんだけど、結果的に四分割になってたんだよ。
黄金分割構図
ところで依ちゃんは黄金比って聞いた事ある?
黄金比ですか?あるような無いような(^_^;
無いんだね(笑)
エジプトのピラミッド、ダ・ヴィンチのモナリザ、Twitterやアップル社のロゴ。これらに共通しているのが、黄金比を使ってデザインされている事なんだ。
ぼくもそんなに詳しくは無いんだけど、黄金比は古代より最も美しい比率と言われていて、その比率は約1:1.618なんだ。
えっと1:1.6・・・何でしたっけ(^_^;
1:1.618。もう少しわかりやすい数値だとおよそ5:8。
まあ、こんな数字を出されてもピンとこないと思うけど、依ちゃんも黄金比でデザインされたあるモノを普段から使ってるんだよ。
えっ!わたしが使っているモノ・・・?
答えはこれ。
そう言うと、藤木は財布から一枚の名刺を取り出して依の目の前にかざした。
名刺ですか?
そう。この名刺の長辺と短辺の比率がほぼ黄金比になっているんだ。そう思うと少し身近に感じるでしょ。
ちょっとだけね(笑)
黄金比を使った構図にも、黄金螺旋とか色々あるんだけど一番分かりやすくて使いやすい黄金分割構図を解説するね。
この写真に黄金分割が使われてるんだけど、どこだか分かる?
5:8って事は・・・この木の柱?との境ですか?
正解!
分かりやすいように色分けしてみたからこれを見て。
赤い部分が1で、黄色い部分が1.618になるんですね。
そうそう。
これは、さっきの写真に三分割と黄金分割のラインを引いたんだけど、こうやって見ると三分割よりラインが内側に寄っているのがよく分かるよね。
この黄金分割の具体的な使い方としては、三分割では広い方の広がりが強すぎると感じるときに使うと、いい感じに決まる事が多いよ。
この金髪の女の子の写真も、三分割だとちょっとバランスが悪いと感じて少しだけ内側に寄せたんだ。写したときは黄金分割を意識したわけじゃ無いけど、結果的にそうなっていたんだよ。
極端と合わせ技
前に写真の組み立て方を教えたときに、河原で写した写真をトリミングして見せたでしょ。あの時に歩いている男の人が端っこに小さく写っている写真を作ったの覚えてる?
これでしょ。覚えてるよ。
アレみたいに極端に端に寄せる構図もあるんだ。ただ、端はやっぱり目立たないから使う場合は被写体が埋没しないようなシンプルな背景や構成を心がけてね。
それから、三分割や四分割にピッタリ当てはまらないのも最後に見せておこうね。
この縦位置の犬の写真は、縦のラインはぴったり三分割ラインに重なってるけど、横はかなり下にずれてて、目の位置を基準にすると三分割の半分で六分割くらいになっているよね。
人によっては上が空きすぎてバランスが悪く感じるかも知れないけど、ぼくにはこの位置がしっくりくるんだ。
このクローバーは横が三分割で縦が四分割にだいたい合っているよね。
こんな風にぴったり何分割に合わせなきゃって思わないでいいんだよ。構図はあくまでも目安だって事を忘れないでね。だから、エリアの分割や画面の流れなどを考えて、最終的には自分の感覚的に気持ちいい構図を作れば良いんだ。
分かりました。迷ったときに色々な構図に当てはめながら微調整して、画面を構成すれば良いんだね。
そう言うこと!
まとめ
分割の構図はたくさんあるから、今日はちょっと大変だったね。お疲れ様。
いえいえ。たくさん解説してくれてありがとね(^^)
とにかく、何度も言うように構図は目安だって事を忘れないで、自分の感覚を第一に考えて撮影しようね。
うん!
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