少し前になりますが7月26日の日曜日、妻と共に千葉県の小江戸と呼ばれる佐原に日帰りで写真を撮りに行ってきたので、その日の様子を紹介します。
始まりはいつも雨
俺たち夫婦のイベントはいつも雨に見舞われる。
まだ独身時代に日光に旅行に行った時も土砂降りの雨に見舞われた。
これは俺の初めて買ったデジカメNikon COOLPIX 800で写したその時の写真だけど、画質はさておきほんとうにやばい位の土砂降りだったのは分かると思う。
そして極め付は結婚式の日。
その日もめちゃくちゃな大雨で式場は浸水するわ、電車が遅れて来賓の方達が遅刻するわで、もう大変。
そんな二人の久しぶりのドライブ。
天気は朝から不安定で、現地に向かっている途中案の定土砂降りの雨に見舞われた。
「今日も天気には見放されるのか」
しかし現地に着く頃には雨は上がり、佐原の空には素晴らしい青空が広がっていた。
俺は駐車場に車を止めると愛用のカメラバッグから中国メーカーの格安単焦点レンズHengyijia(ヘンイージア) 25mm F1.8を装着したFUJIFILM X-T30を取り出し、お気に入りのエツミ製ハンドストラップに右手を通してグリップを握ると、妻と共に青空の下を歩き出した。そして、駐車場近くのお土産屋さんなどを冷やかしながら最初の目的地、香取神宮に向かう。
作例写真はすべてクリックで拡大します。
香取神宮は、茨城県の鹿島神宮と並び、関東はもちろん国家守護の軍神として知られ、明治以前には伊勢と並び、香取、鹿島のみ“神宮”の称号を与えられていた場所だ。
その神宮へ向かう沿道の両脇にはたくさんの石灯籠が並び、朝の雨で鮮やかさの際立つ緑に映えていた。
そんな石灯籠の一つに珍しい昆虫のナナフシが止まっていたのでパチリ。
そんな風にゆっくり写真を撮りながら向かった二人の前に、香取神宮の立派な鳥居が現れた。
ここでレンズを広角で撮れるXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ OIS PZに切り替えると、神社での作法通りに、まずは指や口を清めようと手水鉢に近づいた。しかし、そこにあるはずの柄杓が見当たらない。コロナの影響で撤去されていたのだ。
仕方なく、流れ落ちる水を直接すくって指を清め口をすすいだ。
本殿の前にもソーシャルディスタンスを取るためのラインが引かれ、その前に人々が距離を取って並んでいた。
妻と二人お参りを終え、また写真を撮りながら来た道を戻っていた俺は、ある石灯籠に書かれた名を見て目を止めた。
奉納「巨人軍 城之内邦雄」あのエースのジョーこと元巨人のエース城之内邦雄さんだ。帰宅後調べたところ城之内さんはここ佐原の出身だったので、その縁で奉納したのでしょう。
その石灯籠を何枚か写真に納め、さらに沿道を戻ると枯れかけた紫陽花に目が止まった。普通なら枯れた紫陽花なんて汚くて撮る気にならないけれど、朝の雨に濡れた紫陽花は枯れた花もしっとりとして風情がある。
もちろん中にはまだ新鮮な花も咲いてたので、そんな花も写真に切り取った。
俺たちはまたお土産屋さんの並ぶ通りに戻ると、店先で番をする看板猫やコロッケに群がる人々を写真に収めると本日メインの目的地、小江戸と呼ばれる通りに向かった。
江戸から明治と昭和の混じる不思議な街並み
小江戸と呼ばれる街並みは、利根川の支流小野川の両岸沿いに続いている。
この通りには江戸時代から明治年間にかけての古い商家や町屋が小野川沿いに建ち並び、その内訳は1892(明治25)年の大火以前に建てられた江戸時代および明治前期の建物が63棟、大火後の明治後期の建物が70棟存在するらしい。
俺はレンズをマウントアダプターを介して、オールドレンズのCanon FD 55mm f1.2 S.S.Cに付け替え、江戸時代にタイムスリップした様な街並みを夢中でスナップした。
至る所に被写体があるこの街には、浴衣姿のカメラ女子など俺以外にもカメラを持った人たちがたくさん来ていて、思い思いの場所でシャッターを切っていた。
俺も負けじと写真を撮りまくる。
そのまましばらくCanon FD 55mm f1.2 S.S.Cでスナップを続けたが、35mm換算82.5mmのこのレンズではやはり少し長すぎる。
俺はレンズをまたHengyijia 25mm F1.8に戻した。やはりこの街にはこのくらいの長さのレンズが丁度いい。俺はそのレンズで前を歩く妻の背中をスナップした。
さらに散策を続けていると俺が子供の頃には普通に売っていた、瓶ファンタの錆びた看板を発見。これは江戸と言うより昭和だな。
川沿いには至る所に灯籠などが置かれていたので準備中の方に伺ってみるとその日の夜に「さわら・町並み・竹灯(あか)り~ゆかたで楽しむ灯りと音~」が行われるので其の準備をしているとの事。俺たちは夜まではいられなかったが、きっとその日の夜は幻想的な明かりがたくさんの方の心を癒してくれたことだろう。
その後も、古い商店、入道雲、川沿いの柳に貨物列車、レトロな丸ポストなどなど、気の向くままにシャッターを切った。
歩き回ってびっしょりと汗をかいた俺たちは、涼を求めて「よし野」というお店を訪れかき氷を買い、店先のベンチを借り、それを口に運んだ。
暑く火照った体に染み渡る。
最後に、佐原一番の有名人、江戸時代に全国を測量して歩きその時代としては大変正確な日本地図を作った「伊能忠敬」の記念館に向かった。するとその前にある橋から突然水が流れ出し、じゃーじゃーと音を立て小野川に落水した。
これも帰宅後に調べたのだが、この樋橋(じゃあじゃあ橋)は、もとは江戸時代の前期につくられた佐原村用水を、小野川の東岸から対岸の水田に送るための大樋で、以来300年近く使われ、戦前にコンクリートの橋になってからも橋の下側につけられた大樋を流れる水が、小野川にあふれ落ちて「ジャージャー」と音を立てるので、「じゃあじゃあ橋」の通称で親しまれていた。
現在の橋は観光用につくられたもので、30分ごとに落水させていて、この樋橋の落水は「残したい日本の音風景100選」に選ばれているらしい。
その落水音にしばし耳を傾けたあと、今度こそ伊能忠敬記念館を訪れ、測量機の現物(写真は外にあったレプリカ)や忠敬の住んだ旧宅を拝見した。
そして最後にお土産として「さわら十三里屋」さんで芋けんぴを買って帰路につきました。
佐原はフィルム写真の似合う街
おまけとして、フィルムで撮った佐原の街の写真も掲載します。
使用したカメラとレンズは下記の記事で購入経緯を記した、Canon A-1&New FD 50mm F1.4の880円コンビです。
使用フィルムは「Kentmere Pan 100」で、現像はKodak D-76現像液を使って自家現像した後、デジタルデュープしています。
使用機材
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それではまた。
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